賃貸の収入基準「家賃の3倍」「年収で40倍」は大家が決めた慣習
アメリカの大家は、月収が家賃の少なくとも 3 倍あることをよく求めます。ニューヨーク市でよくある書き方は、年収が家賃の 40 倍、保証人なら 80 倍です。これらの倍率は大家が自分で決めた審査基準で、倍率を定めた州法はありません。州法が定めているのは別のこと、つまり収入源です。ワシントン州は、申込者が家賃補助を受けている場合、大家は家賃から補助を差し引いてから収入が足りるかを計算しなければならないと定めています。ニューヨーク州は、収入が住宅補助や社会保障給付などの合法的な収入源から来ていることを理由に入居を断ることを禁じています。収入が基準に届かないときによく使われる代わりの方法は、保証人、支払い能力の証明、家賃の前払いです。
3 倍、40 倍、3割はそれぞれどう計算するか
この3つの数字は同じことを計算していて、書き方が違うだけです。家賃 2,500 ドルを例にします。
- 実際にできること
- 月収 3 倍:月収が少なくとも 7,500 ドル、年収で 90,000 ドル。家賃は収入の約 33% です。
- 年収 40 倍:年収が少なくとも 100,000 ドル、月収に直すと約 8,333 ドル。3 倍より少し高く、約 3.3 倍です。
- 80 倍(ニューヨークでよくある保証人の基準):保証人の年収が少なくとも 200,000 ドル。
- 3割の予算:家賃を税引き前の収入の 30% 以内に収めるなら、家賃 2,500 ドルには月収約 8,333 ドルが必要です。よく使われる予算の目安で、これも慣習です。
収入基準は法律で決まっているのか?
州法で倍率が決まっているわけではありません。大家や管理会社が審査基準の中で自分で基準を決めており、2.5 倍から 3 倍がよくあり、ニューヨーク市では 40 倍がよくあります。物件ごとに違ってよく、融通をきかせることもできます。
法律が定めているのは審査の手順です。テキサス州の Property Code 92.351 以下は、大家が書面の審査基準を出すことを定めています。大家がクレジットレポートや身元調査のレポートに基づいて断る場合は、連邦法の FCRA に従って adverse action notice を出さなければなりません。申し込む前に、その物件の基準が何倍か、税引き前と税引き後のどちらの収入を使うか、ルームメイトや配偶者の収入を合算できるかを確認しましょう。
ワシントン州:補助があれば先に差し引いてから計算する
ワシントン州の RCW 59.18.255(2018 年 9 月 30 日施行)は、大家が申込者の収入源を理由に入居を断ってはならないと定めています。収入源には、住宅補助、公的扶助、緊急家賃補助、退役軍人の給付、社会保障給付など、政府や非営利団体が運営するプログラムが含まれます。
大家が最低収入の基準を設けている場合、家賃バウチャーや補助の額をまず家賃から差し引き、残りの部分で収入が足りるかを計算しなければなりません。たとえば家賃 2,000 ドル、補助 1,400 ドル、基準が 3 倍なら、残りの 600 ドルだけを見るので、月収 1,800 ドルで基準を満たします。違反した大家は、最大で家賃の 4.5 倍に訴訟費用と弁護士費用を加えた額を支払うことになります。
ニューヨーク州:収入源を理由に断ってはならない
ニューヨーク州の人権法は 2019 年 4 月 12 日から、合法的な収入源を保護の対象としており、これには公的扶助、Section 8 などの住宅補助、子どもの養育費、扶養料、社会保障給付と SSI が含まれます。州司法長官が挙げている違法な行為には、広告に「no Section 8」と書くこと、資格を計算するときに家族の社会保障給付の収入を含めないこと、申し込むのに在職証明の提出を求めることがあります。オーナー自身が住む1戸または2戸の住宅、性別を限った部屋の貸し出し、高齢者向け住宅は適用の範囲外です。
このうち Section 8 の受け入れ拒否に関する部分については、州の控訴裁判所(Appellate Division)第3部が 2026 年 3 月の Commons West 事件の判決で違憲と判断しました。州司法長官はすでに上訴しており、まだ係争中です。ほかの収入源には影響しません。当サイトには、ニューヨークの賃貸、FAREの仲介手数料、敷金は 1 か月分で 14 日以内に返還されることについての別の記事があります。
収入が足りないときの 4 つの代わりの方法
収入が少し足りないときは、まず大家がどの代わりの方法を受け付けるかを尋ね、それから何を準備するかを決めます。
- 実際にできること
- 保証人(guarantor)または連帯保証人(co-signer):収入とクレジットが大家の保証人の基準を満たす必要があり、ニューヨークでは 80 倍がよくあります。当サイトには、連帯保証人と保証会社の違い、海外にいる親が連帯保証人になれるかどうかについての別の記事があります。
- 預金や海外の収入を支払い能力の証明にする:銀行の取引明細書、支援の手紙をドルに換算して出します。当サイトには、海外の収入と預金を賃貸の支払い能力の証明にする方法、ドルへの換算についての別の記事があります。
- オファーレター:アメリカに来たばかりで給与明細がないときは、offer letter で年収を証明します。当サイトには、H-1Bで給与明細がなくても、オファーレターで部屋は借りられることについての別の記事があります。
- 収入の合算:ルームメイトや配偶者と一緒に賃貸契約に署名し、収入を合算して計算します。合算した場合、一人ひとりが契約全体に責任を負います。
家賃を数か月分前払いすれば、収入の代わりになるか
大家によっては、収入やクレジットの代わりに家賃の数か月分の前払いを受け付けます。前払いの家賃についての規定は州によって違います。カリフォルニア州は敷金の上限が 1 か月分で、前払いした家賃がその上限に含まれるかどうかは、現地の賃貸の所管機関に確認してください。ニューヨーク州では、1 か月分の敷金とは別に last month's rent を前もって受け取ることはできません。前払いする前に、そのお金が何月分の家賃なのか、途中で解約したらどう返金されるのかを賃貸契約書に書いておきます。
当サイトには、アメリカのクレジットヒストリーがなくても部屋を借りるための 6 種類の代わりの証明と敷金の上限についての別の記事があります。
申し込む前に、予算と一度照らし合わせる
基準は大家の審査の物差しで、家賃の負担はあなた自身の暮らしの問題です。収入が 3 倍に届いていても、水道光熱費、ネット、交通、保険を加えると、毎月実際に用意するお金は家賃より多くなります。サイト内の予算の試算で入居時の総額と毎月の固定費を書き出してから、どの価格帯に申し込むかを決めましょう。
よくある質問
収入基準についてよく聞かれる質問です。
- 実際にできること
- 3 倍は税引き前と税引き後のどちらの収入で計算しますか?税引き前(gross)か税引き後かは大家によって違うので、申し込む前に直接尋ねてください。
- アメリカでの収入がなく、海外の収入か預金しかなくても借りられますか?銀行の取引明細書、支援の手紙、家賃の前払いを受け付けてもらえるか、大家に尋ねられます。ドルに換算し、原文と翻訳を添えると受け付けてもらいやすくなります。
- 住宅補助のバウチャーがありますが、大家は 3 倍の基準で断れますか?ワシントン州では補助を先に差し引いてから計算しなければなりません。ニューヨーク州では、収入が住宅補助から来ていることを理由に断ることはできません。ほかの州はそれぞれの州法によるので、地元の公正住宅の窓口に尋ねられます。
- 収入が基準に届いているのに断られました。理由はわかりますか?大家がクレジットレポートや身元調査のレポートに基づいて断る場合は、連邦法の FCRA に従ってレポート会社を知らせなければならず、あなたは 60 日以内にレポートを無料で取り寄せられます。当サイトには、賃貸の申し込みを断られたら、60 日以内にまず身元調査のレポートを無料で取り寄せることについての別の記事があります。
出典(確認日 2026-10-27)
以下は、この記事で引用した公式ページです。収入の倍率は大家の慣習で、物件ごとに違います。個別のケースについては大家か地元の公正住宅の窓口に確認してください。この記事は法的助言ではありません。
- 実際にできること
- ワシントン州 RCW 59.18.255:https://app.leg.wa.gov/RCW/default.aspx?cite=59.18.255
- ニューヨーク州司法長官 Source of Income Discrimination:https://ag.ny.gov/publications/source-income-discrimination
- ニューヨーク州司法長官 Commons West 事件についての声明:https://ag.ny.gov/press-release/2026/attorney-general-james-releases-statement-ruling-housing-discrimination-lawsuit
- テキサス州 Property Code ch. 92:https://tcss.legis.texas.gov/resources/PR/htm/PR.92.htm
- FTC 入居者の身元調査とあなたの権利:https://consumer.ftc.gov/articles/tenant-background-checks-and-your-rights
- ニューヨーク州司法長官 Residential Tenants’ Rights Guide(敷金と家賃の前払い):https://ag.ny.gov/publications/residential-tenants-rights-guide
ポイント
月収 3 倍も年収 40 倍も大家が自分で決めた審査基準で、州法は倍率を定めていません。ワシントン州では家賃補助があれば家賃から補助を差し引いてから計算し、ニューヨーク州では収入源を理由に断れません。収入が足りないときは保証人、支払い能力の証明、オファーレター、収入の合算が使えます。家賃の前払いは先に州法を確認しましょう。
この記事で使えるツール
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