敷金の差し引きに納得できない:まず請求の手紙を送り、それから少額裁判へ
敷金が返ってこない、または差し引きの明細に納得できないときは、3つの段階で進めます。まず法定期限が過ぎたかを確認し、次に書面で請求の手紙(demand letter)を送り、それでも相手が対応しなければ少額裁判(small claims court)に進みます。請求の手紙そのものは法的な手続きではありませんが、あなたが期限と罰則を知っていることを大家に伝え、後で裁判になったときに、先に請求したことを示す記録にもなります。以下では、手紙に書く 6 つのこと、英語の文例、州ごとの期限と罰則を整理します。

まず期限が過ぎたかを確認する
期限が来る前に手紙を送ると、大家に「まだ法定期限内です」と返されてしまいます。退去日または賃貸契約の終了日から数える州ごとの期限は次のとおりです。カリフォルニア州 21 日(Civil Code 1950.5)、ニューヨーク州 14 日(General Obligations Law 7-108)、ワシントン州 30 日(RCW 59.18.280)、マサチューセッツ州 30 日(G.L. c.186 §15B)、テキサス州 30 日(Property Code 92.103)、フロリダ州は差し引かないなら 15 日、差し引くなら 30 日以内に通知を送付(§83.49)。
テキサス州にはもう1つ前提があります。Property Code 92.107 は、入居者が先に書面で転送先の住所を伝えて初めて、大家に敷金を返す義務が生じると定めています。まだ伝えていないなら、請求の手紙に転送先の住所を書き、これが自分の転送先の住所だと明記します。当サイトには、敷金の返還期限についての別の記事があります。州ごとの細かな規定と罰則をより詳しく書いています。
請求の手紙に書く 6 つのこと
手紙は長くなくてかまいませんが、この6項目はすべて入れます。英語で書き、日付、金額、住所をはっきり書き、感情的な言葉はすべて取り除きます。
- 実際にできること
- あなたの氏名、現在の住所と連絡先。大家または管理会社の名称と住所
- 賃貸物件の住所、契約期間、退去日、鍵を返した日
- 敷金の金額と支払日。領収書または振込記録のコピーを添える
- 法定期限と条文番号:たとえばカリフォルニア州 Civil Code 1950.5 の 21 日、ニューヨーク州 GOL 7-108 の 14 日。期限が過ぎたこと、返金も明細も受け取っていないこと、または明細が規定に合わない点を書く
- 請求する金額と支払いの期限(たとえば手紙を受け取ってから 14 日以内)、受け取り方法
- 期限内に対応がなかった場合の次の手段:少額裁判所に訴えを起こし、州法に基づく罰則を求める
英語の文例
以下は一般的な書式です。角かっこの中を自分の情報に置き換えてください。罰則に触れる一文は、住んでいる州の条文に合わせて書き直します。よくわからなければその一文は削り、期限と請求額だけを書きます。
- 実際にできること
- [Date]
- [Landlord name] / [Landlord address]
- Re: Return of security deposit for [rental address]
- I rented [rental address] from [start date] to [end date]. I moved out and returned the keys on [date]. I paid a security deposit of $[amount] on [date].
- Under [state law, e.g., California Civil Code Section 1950.5], you were required to return my deposit or provide an itemized statement within [21] days. As of today, I have not received [the deposit / an itemized statement / receipts for deductions over $125].
- Please send $[amount] to [address or payment method] within 14 days of receiving this letter.
- If I do not receive payment by [date], I intend to file a claim in small claims court and request any penalties allowed by law.
- My forwarding address is [address].
- Sincerely, [Your name] [Phone] [Email]
書留かメールで送り、証拠を残す
手紙は、相手が受け取ったことを証明できる方法で送ります。アメリカの郵便局の certified mail(書留)に配達証明をつけるのが最も一般的です。同じ手紙をメールでも送り、件名をはっきり書きます。手紙、発送の受領証、配達証明、メールの送信記録は、すべて控えを残します。当サイトには、大家とのやり取りはできるだけ文字で残すこと、それは覚えておくためであることについての別の記事があります。
カリフォルニア州の裁判所セルフヘルプセンターは、大家が 125 ドルを超えて差し引く場合は請求書か領収書を添えなければならず、大家が自分で作業した場合は作業時間と時給を書かなければならないとも注意しています。受け取った明細にこれらが欠けていれば、手紙の中で1項目ずつ指摘します。当サイトには、敷金は戻ってきたが金額が合わないとき、まず明細があるかを見ることについての別の記事があります。
少額裁判:上限と罰則は州によって決まる
少額裁判には弁護士が要らず、費用も安く済みます。カリフォルニア州の裁判所セルフヘルプセンターには、入居者は少額裁判で請求でき、個人の上限は 12,500 ドル、大家が悪意で敷金を差し押さえた場合、裁判官は敷金の最大 2 倍の賠償を別に命じられると明記されています。
ニューヨーク州では裁判所によって少額裁判の上限が違います。ニューヨーク州司法長官の敷金のページには各地の上限が載っており、入居者が敷金を取り戻すための調停(mediation)の支援も行っています。訴えを起こすには、大家の正確な名称と住所が必要です。ほかの州の少額裁判の上限は、現地の裁判所に確認してください。
- 実際にできること
- ニューヨーク州:14 日以内に明細を出して残額を返さなければ、大家は敷金のどの部分も差し引く権利を失う
- ワシントン州:故意に返還を拒んだ場合、最大で敷金の 2 倍に加え、訴訟費用と弁護士費用
- マサチューセッツ州:違法な差し押さえには 3 倍の賠償に 5% の利息と関連費用を請求できる
- テキサス州:悪意の差し押さえには 100 ドルに違法に差し押さえた額の 3 倍と弁護士費用を支払う。30 日以内に返金も明細もなければ悪意と推定される
- フロリダ州:30 日以内に差し引きの通知を送らなければ、大家は敷金を差し引く権利を失う
無料の法律扶助
金額が大きい場合や、大家から反訴された場合は、まず無料の法律扶助を探します。多くの州の法律扶助サイトには、敷金の請求の手紙をオンラインで作れるツールがあります。たとえばミネソタ州の LawHelp MN です。学校にも学生向けの賃貸の法律相談があることがよくあります。
カリフォルニア州ではもう1点注意があります。ロサンゼルス法律扶助財団(LAFLA)の 2022 年版の敷金セルフヘルプ手引きには参考になる手紙の文例がありますが、手引きにある敷金の上限と少額裁判の上限は古い数字です。現行では、敷金の上限は 1 か月分(AB 12、2024 年 7 月 1 日から)、少額裁判の個人の上限は 12,500 ドルです。
出典(確認日 2026-10-22)
以下は、この記事で引用した公的機関と法律扶助団体のページです。文例は一般的な書式で、個別のケースに向けた法的助言ではありません。金額が大きい場合や争いがある場合は、まず法律扶助団体に相談してください。
- 実際にできること
- カリフォルニア州裁判所セルフヘルプセンター 敷金:https://selfhelp.courts.ca.gov/guide-security-deposits-california
- ニューヨーク州司法長官 敷金と利息を取り戻す:https://ag.ny.gov/resources/individuals/tenants-homeowners/tenants/recovering-rent-security-deposits-and-interest
- ニューヨーク州 GOL 7-108:https://www.nysenate.gov/legislation/laws/GOB/7-108
- ワシントン州 RCW 59.18.280:https://app.leg.wa.gov/RCW/default.aspx?cite=59.18.280
- マサチューセッツ州 G.L. c.186 §15B:https://malegislature.gov/Laws/GeneralLaws/PartII/TitleI/Chapter186/Section15B
- テキサス州 Property Code ch. 92:https://tcss.legis.texas.gov/resources/PR/htm/PR.92.htm
- フロリダ州 §83.49:http://www.leg.state.fl.us/statutes/index.cfm?App_mode=Display_Statute&URL=0000-0099/0083/Sections/0083.49.html
- LawHelp MN 敷金の請求の手紙ツール:https://www.lawhelpmn.org/node/3087
- LAFLA 敷金セルフヘルプ手引き(2022-04、数字は古い):https://lafla.org/wp-content/uploads/2022/04/Security-Deposit-Pro-Per-Guide-FINAL.pdf
ポイント
まず法定期限が過ぎたことを確認し(カリフォルニア州 21 日、ニューヨーク州 14 日、多くの州は 30 日)、次に 6 つのことを書いた英語の請求の手紙を送ります。書留とメールで送って証拠を残し、最後に少額裁判に進みます。カリフォルニア州の少額裁判の個人の上限は 12,500 ドルで、悪意で敷金を差し押さえた場合は最大 2 倍が別に命じられます。
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